平成27年度 南風病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 99 125 217 326 799 1652 1959 1754 394
 当院は、「科学の進歩にそった医療を提供できる病院」を目指し急性期医療の提供に努めています。「がん医療」については、がん検診から診断、治療、そして緩和医療までを提供できる診療体制を構築しています。また、超高齢化社会に伴い、脊椎・脊髄疾患や変形性膝関節症・股関節症がさらに増加することが見込まれているため「脊椎・関節センター」を立ち上げ、脊椎・関節疾患の専門医療にも積極的に取り組んでいます。
 また地域医療支援病院として、生活習慣病や複数の合併疾患を持つ患者様、透析を必要とする患者様についても積極的に診療をおこなっています。当院の患者様の年齢構成としては70歳以上が過半数を占めます。前方連携・後方連携の充実を図り、退院後の日常生活レベルの向上に努めています。
 当院の患者様の平均年齢は69.3歳(男性67.7歳、女性71.3歳)となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術・処置等2なし 副傷病なし 124 10.27 10.93 6.45% 73.60
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 85 5.32 7.91 3.53% 66.24
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 85 5.86 7.38 9.41% 68.16
 胆道疾患で多いのが胆嚢結石と総胆管結石です。胆嚢結石性胆のう炎の場合、発症後3日以内なら緊急手術の適応となりますが、それ以上経過していれば保存的治療を行います。その場合、抗生剤のみで抑えきれないようなケースではPTGBAまたはPTGBDを行います。また、総胆管結石に対しては、内視鏡的乳頭切開(EST)、バルーン拡張(EPBD)を行って砕石・排石を行っています。最近、ラージバルーン拡張(EPLBD)が使えるようになり、直径1cm以上の大きな結石まで砕石することなく排石できるようになりました。
 消化管出血など、緊急内視鏡が必要な消化器系疾患に対しても24時間体制で積極的に対応しています。
 胃がん、大腸がんにおいては、早期で発見された場合では、内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD: Endoscopic submucosal dissection)を施行することが可能です。また、消化器外科においても、より身体に負担の少ない鏡視下手術も多く施行されます。
外科・消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 69 16.45 17.41 8.70% 72.32
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 60 6.63 7.84 0.00% 62.80
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 51 5.92 6.96 0.00% 58.39
 消化器特に消化管疾患に対する外科治療が中心です。腹部では腹腔鏡下手術が第一選択になってきています。胃癌、結腸・直腸癌の約70%が腹腔鏡下手術となっており、胆石・胆のう炎、虫垂炎、鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、術後腸管癒着障害のほとんどが鏡視下手術です。肺癌手術も胸腔鏡補助下手術となっています。2016年の1月から、ロボット支援による腹腔鏡下手術を導入し、18例(9月末までに胃癌5例、直腸癌13例)を経験し、全例術後経過は良好です。
 結腸がんの手術症例は平均年齢70歳ですが、90歳以上の方の手術も対応しました。全国平均よりも在院日数が短くなっています。
整形外科・小児整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 118 21.71 28.70 92.37% 82.63
07040xxx01xx0x 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 副傷病なし 75 18.75 24.95 81.33% 68.37
070343xx97x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術・処置等2-1あり 69 15.67 22.28 31.88% 73.33
 大腿骨近位部骨折に対しては、転院率92.3%と回復期リハビリテーション病院と連携し、患者のQOLの向上に努めています。大腿骨近位部骨折の手術症例としては、骨折観血的手術、人工骨頭挿入術で平均在院日数は全国平均よりも1週間程度短いです。
 「脊椎・関節センター」では超高齢化社会において健康で痛みのない生活を送ることができるよう、関節疾患治療を診療の柱の一つとしています。当センターでは股関節や膝関節の人工関節置換手術を行っており手術件数は年々増加しています。股関節症の手術症例の平均在院日数は全国平均と比較して6日程度短いです。
 脊柱管狭窄症と診断される患者さんの年齢も高くなり、最近では70代から80代の患者さんが主体で保存療法や手術により豊かな生活を取り戻している方が多くいらっしゃいます。脊柱管狭窄症の手術症例の平均在院日数は全国平均より1週間程度短いです。術後早期から医療ソーシャルワーカーが退院調整を行い連携を強化していることにより実現していると考えます。
 外来から入院、手術、リハビリテーションまでをチーム医療で質の高い医療を提供できるよう心掛けています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9904xx 肺の悪性腫瘍 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 107 16.96 13.38 0.93% 69.08
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術・処置等2なし 85 17.91 14.34 10.59% 73.56
040040xx99100x 肺の悪性腫瘍 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 75 3.75 3.29 1.33% 71.47
 呼吸器内科では、肺癌患者様の化学療法目的の入院が最も多くを占めます。肺癌診断のための気管支鏡検査などの検査入院が第3位を占め、平均 3.8日の在院日数となります。肺癌以外にも肺炎、気管支喘息、呼吸不全の入院があり、それぞれのガイドラインに基づき標準的治療を心掛けています。
肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術・処置等2なし 319 12.45 11.98 2.19% 74.89
060050xx0310xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 66 12.48 16.76 0.00% 72.44
060300xx99x00x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術・処置等2なし 副傷病なし 43 16.86 14.14 4.65% 73.09
 ウイルス性肝炎・肝細胞癌・肝不全の系統的診断・治療を目指しています。また、他科との連携により、肝細胞癌に対する全ての治療選択肢を備えており、肝移植についても対応できるような連携体制を整えています。肝癌に対しての治療法として、経皮的エタノール注入療法(PEIT)、経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)、経カテーテル的肝動脈塞栓術(TAE)、肝動注用リザーバー埋め込み術 を対応しています。
 肝癌におけるこのような血管塞栓術を用いた治療実績の件数は全国でも上位に位置する症例数であり、十分な経験と実績のもとに施行しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 102 17.16 18.30 18.63% 81.72
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術・処置等2なし 副傷病なし 27 14.15 21.69 37.04% 84.30
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術・処置等2なし 24 14.50 14.34 25.00% 84.96
 入院患者様の心不全、不整脈、静脈血栓症、肺炎等の感染症が多く、観血的治療としては、ペースメーカー植え込みやCVポート増設を行っています。当科でも心不全患者様の平均年齢は80歳を超えており、様々な合併症を有する症例が多いため全身管理が必要な患者様が増加しています。
 患者のQOLの向上を目的に医師・看護師だけでなく、多職種で構成するチームで患者さんをサポートしています。慢性心不全看護認定看護師も在籍しており、積極的に心不全治療に取り組んでいます。
腎臓内科・人工透析内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 14.40 13.64 13.33% 55.93
180040xx02x0xx 手術・処置等の合併症 手術・処置等2なし 28 1.93 3.40 0.00% 68.50
110280xx02x10x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術・処置等2-1あり 副傷病なし 23 22.09 33.71 21.74% 71.74
 地域の診療所及び当院の各科と連携し、腎疾患の早期発見、早期治療をおこなっています。 原発性腎炎に加えて、糖尿病、慢性関節リウマチ、膠原病、心疾患、肝疾患、肺疾患など多くの全身性疾患に伴って出現する腎疾患に対して、循環器内科、肝臓内科、呼吸器内科、消化器内科、一般内科等とスピーディーな連携をとり治療にあたっております。
 透析導入の患者様には内シャント設置術に対応しています。またPTA(経皮的血管拡張術)も積極的に対応しています。更に透析患者様のQOLの向上、さらに今後もブラッドアクセス管理を充実させ力を入れていきます。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x00x パーキンソン病 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 19.00 - -
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術・処置等1なし 手術・処置等2-3あり 副傷病なし - - 18.08 - -
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2-4あり 副傷病なし - - 19.87 - -
 パーキンソン病は手足のふるえ、歩行障害などが主な症状で、比較的頻度の高い神経疾患です。 人口の高齢化に伴い、患者数はさらに増加しつつあります。パーキンソン病は、適切な診断・薬物治療により、長期にわたり高品質なADLを維持することが可能です。また脳深部刺激療法などの新しい外科療法も進歩しておりますので、症状に応じた最善の治療法をご提示しながら、長期展望に立った全人的治療を行います。
 脳血管障害においてもMRI・MRA・頚動脈エコー・脳血流シンチなどを駆使した脳及び脳血管の評価、高血圧・糖尿病・高脂血症・不整脈などの脳卒中危険因子の総合的評価を行い、エビデンスに基づいた脳卒中診療に取り組んでいます。多発性硬化症・HAM・重症筋無力症などの免疫性神経疾患についても、診断、免疫療法、血漿交換、インターフェロン療法など、長期にわたり継続して診療することが可能です。
 多発性硬化症・HAMの最新治療にも取り組んでいます。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 42 16.07 15.35 9.52% 70.21
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術・処置等2なし 18 17.00 14.34 22.22% 73.78
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 - - 12.60 - -
 糖尿病教育入院では血糖コントロール不良例を中心に2週間程で行っています。ビデオをみていただいたり、医師の他、栄養士・薬剤師・理学療法士による勉強会をおこなっています。食事療法と運動療法の実践、毎食前の血糖値を測定し、治療効果を実感してもらっています。
 その他、内分泌系疾患(下垂体甲状腺、副腎)と電解質異常の治療も行っております。
ペインクリニック内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010111xxxxx0xx 遺伝性ニューロパチー 手術・処置等2なし 80 21.39 14.25 1.25% 74.25
07034xxx99xx0x 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 副傷病なし 35 16.37 12.15 2.86% 55.20
010310xx99x0xx 脳の障害(その他) 手術・処置等2なし 21 11.62 11.51 4.76% 41.05
 ペインクリニック内科では帯状疱疹痛、帯状疱疹後神経痛や、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄など脊椎疾患による痛み、神経痛などが多く、手術後遷延痛、低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)、がんの痛みなど様々です。痛みを伝える神経を局所麻酔薬で遮る神経ブロック療法のほか様々な薬物療法も用いて痛みを減らすことで可能な限り、生活の質の向上を図ります。
 また脳脊髄液減少症に有効とされる「ブラッドパッチ療法」(硬膜外自家血注入療法)についても2016年度から保険適用されています。ペインクリニック内科にて対応可能です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 - - 5.31 - -
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 15.80 - -
010060x099020x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 副傷病なし - - 19.78 - -
 当科の特色として、認知症の早期診断・早期治療を目標にかかげて診断、治療を行っています。特にMRI(エムアールアイ)やSPECT(スペクト)などの画像診断は最新のシステムを導入しており、多くの病院からご紹介をいただいています。
緩和ケア内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 13 37.92 15.00 0.00% 75.31
060050xx99x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 10.55 - -
060050xx99x01x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病あり - - 18.47 - -
 2013年の統計ではこの年も日本の男女合わせての平均寿命は世界のトップでしたが、1981年以来、日本人の死因で最も多いものは癌です。日本人の3人に1人は癌でなくなります。 従って、高度急性期病院としての機能を果たす南風病院では、各領域の専門医が、癌の早期発見、診断、治療に力を注いでいます。緩和ケアはそのような生命にかかわる疾患がもたらす不安や苦悩、苦痛を和らげ、その人がその人らしく過ごせるように環境を整えます。
 当院では優れた治療技術を効率的に発揮するだけでなく、痛みや苦悩をやむを得ないものとみなさず、その緩和に努め、また、これまで治療医学の対極にあった老いや死も生物として当たり前の現象とみなすことができるように患者様及び家族の緩和に努めています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 185 16 26 47 24 31 1 6,7
大腸癌 62 57 74 59 55 27 1 6,7
乳癌 - - - - - - 1 7
肺癌 55 - 46 222 20 87 1 7
肝癌 44 27 - 10 14 397 1 6,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
■定義■
・平成27年4月から平成28年3月までの退院症例のうち5大がん(胃がん・大腸がん・肝がん・肺がん・乳がん)の病期(ステージ)ごとで集計。
・国際対がん連合(UICC)の病期分類(第6,7版)に準ずる

・各種がんは次のように定義する(DPC先頭6桁: 胃がん=060020、大腸がん=060035 または 060040、肝がん=060050、肺がん=040040、乳がん=090010)

※初発例として集計した症例は再発例には集計しません。

■解説■
消化器内科・外科では胃癌、大腸癌、肝臓内科では肝癌の患者さんを、呼吸器内科では肺癌の患者さんを多く診療しています。
当院が入院治療を行った5大癌のStage分類毎の患者数を示しております。初期治療から根治治療、化学療法まで幅広いがん診療をおこなっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 - - -
重症度 1 - - -
重症度 2 19 14.21 80.74
重症度 3 14 19.21 83.07
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
■定義■
・DPC様式1のデータをもとに、平成27年4月から平成28年3月までの退院症例を成人(15歳以上)の肺炎患者様について重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計(DPC退院患者を対象)。

■解説■
・当院は、軽症から重症まで幅広い患者様を診療しています。呼吸器内科を中心とした内科系診療科で診療実績の向上に努めています。また、慢性呼吸器疾患認定看護師らによるRST(呼吸ケアチーム)を組織し、チーム医療に取り組んでいます。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 - 13 7.38 76.85 15.38%
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 27 19.78 75.96 25.64%
その他 12 15.17 76.83 17.95%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
■定義■
・DPC様式1のデータをもとに、平成27年4月から平成28年3月までの退院症例を脳梗塞の病型別の患者さんについて、患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計(DPC退院患者を対象)。

■解説■
・脳血管疾患は現在でも死因の上位です。当院では脳血管疾患の中でも脳梗塞が多く、脳梗塞は早期に治療を行うことが効果的とされています。早期に治療を行い、早期にリハビリを開始することが重要です。当院では急性期からのリハビリにも積極的に取り組んでいます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 258 0.67 1.81 0.78% 66.50
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 98 0.94 13.10 16.33% 76.11
K654 内視鏡的消化管止血術 94 0.50 9.82 21.28% 73.81
 胆道疾患で多いのが胆嚢結石と総胆管結石です。胆嚢結石性胆のう炎の場合、発症後3日以内なら緊急手術の適応となりますが、それ以上経過していれば保存的治療を行います。その場合、抗生剤のみで抑えきれないようなケースではPTGBAまたはPTGBDを行います。また、総胆管結石に対しては、内視鏡的乳頭切開(EST)、バルーン拡張(EPBD)を行って砕石・排石を行っています。最近、ラージバルーン拡張(EPLBD)が使えるようになり、直径1cm以上の大きな結石まで砕石することなく排石できるようになりました。

 内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD: Endoscopic submucosal dissection)は消化管の早期癌に対して、お腹を開けずに腫瘍を切除する画期的治療法として開発されました。リンパ節転移の可能性のきわめて低い粘膜内にとどまる癌を対象にしています。高周波ナイフを使って癌の周りの粘膜を切開し、癌よりも下の粘膜下層のレベルで病変を剥がし取る手技です。消化管の癌を治療するなかで最も体に負担のかからない治療として胃においては2006年、食道では2008年、大腸では2012年それぞれ保険適応となり発達、普及してきました。当院でも早くからESDを導入し、これまでに1000例以上を行い、良好な治療成績をおさめています。
外科・消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 119 2.06 3.74 0.00% 61.10
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 92 1.00 2.75 1.09% 68.47
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 64 5.23 10.63 9.38% 71.84
 消化器癌手術においても腹腔鏡下手術例が増加してきており、胃癌手術の60.8%、結腸癌手術の65.5%、直腸癌手術の70.7%を占め、最近では肝切除29例の65.5%、膵体尾部切除9例の55.6%に腹腔鏡下手術の適応を拡大してきています。 当科には日本内視鏡外科学会技術認定医が3名勤務しています。今後更に腹腔鏡下手術例の増加が見込まれ、新しい外科体制が構築されつつあります。
 また、最先端医療であるロボット支援による腹腔鏡下手術(胃癌・直腸癌)を推進しつつあります。
整形外科・小児整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股)(膝) 116 1.34 15.97 87.07% 71.66
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 105 2.13 15.25 50.48% 69.94
K0461 骨折観血的手術(上腕)(大腿) 81 5.95 14.99 91.36 83.07
 「脊椎・関節センター」では脊椎・関節診療の専門医療の提供に努めています。
人工関節置換手術は、変形性関節症などの疾患により障害された関節を人工関節によって置換する手術です。痛みを軽減するなど患者さんのQOLの向上につながります。当院の手術件数も年々増加傾向にあります。
 脊椎疾患の手術件数は九州医療圏においてはトップクラスの実績です。これまで鹿児島県全域の開業医の先生方から多くの患者さまをご紹介いただき専門手術を行っています。また高齢者の患者さまは、循環器疾患や糖尿病、認知症など合併症をかかえた方も多くいらっしゃいます。このような患者さまや血液透析を受けている方などは、手術を行う前に疾患の状態を安定させる必要があります。
 当センターでは、循環器サポート、透析サポート、糖尿病サポート、認知症サポートにおいて専門医とその領域の認定看護師により合併症を有する方に対しても最善の手術を行えるよう努めています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - -
肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 381 2.29 9.27 1.84% 74.49
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cm以内)(その他) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
 肝癌に対する血管塞栓術、ラジオ波焼灼療法では多くの実績を有しており、全国でもトップクラスの症例数です。他科の協力により肝細胞癌に対する多くのの治療選択肢を揃えており、また肝移植にも対応できるような連携体制も整えております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
 観血的治療としては、ペースメーカー植え込み術や下大静脈フィルター留置術が中心になっています。
腎臓内科・人工透析内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 56 7.16 15.41 19.64% 70.48
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 28 0.00 0.93 0.00% 68.50
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
 透析導入の患者様には内シャント設置術を施行する体制を整えています。またPTA(経皮的血管拡張術)も積極的に対応しています。透析患者様のQOLの向上、さらに今後もブラッドアクセス管理を充実させ力を入れていきます。
神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K1911 脊髄腫瘍摘出術(髄外) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 - - - - -
ペインクリニック内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K190 脊髄刺激装置植込術 - - - - -
K190-2 脊髄刺激装置交換術 - - - - -
緩和ケア内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6822 胆管外瘻造設術(経皮経肝) - - - - -
K522-2 食道ステント留置術 - - - - -
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) - - - - -
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 27 0.37%
180010 敗血症 同一 31 0.42%
異なる 27 0.37%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 96 1.32%
異なる - -
■定義■
・DPC様式1のデータをもとに、平成27年4月から平成28年3月までの退院症例を集計(DPC退院患者を対象)。

・最も医療資源を投入した傷病名が入院契機の傷病名と同一か異なるかに分けてそれぞれの患者数および発症率を集計。

・発症率の母数は退院患者すべてとする。

■解説■
・この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、敗血症、播種性血管内凝固、手術・術後の合併症、その他の真菌症について、入院契機病名(入院のキッカケとなった傷病)の同一性の有無を区別して対象患者数と発症率を示したものです。
更新履歴
2016/9/30
南風病院 病院情報を公開しました。