令和2年度 南風病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 2 108 95 146 292 541 1242 1717 1329 447
当院は「ひとにやさしく、あたたかく」を理念に鹿児島保健医療圏の中核的医療機関として、救急告示病院、県がん診療指定病院、地域医療支援病院、へき地医療拠点病院、基幹型臨床研修病院の指定を受けております。「がん医療」については、がん検診から診断、治療、緩和医療までを提供できる診療体制を構築しており、科学の進歩にそった医療の提供に努めております。また、超高齢化社会に伴い脊椎・脊髄疾患や変形性膝関節症・股関節症がさらに増加することが見込まれているため整形医外科分野では、院内の体制を充実し地域から多くの紹介を受入れ、専門医・専門スタッフによる診断、治療、手術、リハビリ等、質の高い医療の提供をめざし、生活習慣病や複数の合併疾患を持つ患者様、透析を必要とする患者様についても積極的に診療をおこなっています。当院の患者様の年齢構成としては70歳以上が過半数を占めます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 162 7.02 9.53 6.17 75.23
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 98 2.86 2.66 0 69.07
06007xxx97x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 57 11.51 12.33 0 73.21
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 51 4.88 7.74 5.88 71.39
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) 50 9.16 10.83 18 75.26
当科の診療の3本柱は、①消化管(食道・胃・大腸)癌、②胆膵疾患、③消化器救急です。消化管癌の術前精査はほとんど外来で行っているため、診断群分類上位には上がっていません。
入院患者の診断群分類で最も多いのが胆管結石・胆管炎です。ESTやEPLBD、ENBDなどの内視鏡的手術で安全・確実な治療を行っています。
次に多い診断群分類が、小腸大腸の良性疾患となっています。大腸ポリープ切除の多くは外来で治療しますが、大きな病変や数が多い場合は術後1泊入院する場合があります。また、高齢者は前処置段階から入院で大腸内視鏡を行う場合があります。
また、膵腫瘍が、診断群分類の3番目に入っています。当院では膵癌早期発見プロジェクトを2013年から行っており、その結果早期膵癌をはじめ数多くの膵腫瘍を発見し、精査・治療を行っており、その成果と考えます。
診断群分類の4番目に憩室疾患、5番目に胃十二指腸潰瘍が入っていますが、1番目の胆管炎を含め、当科が消化器救急に取り組んできた結果と考えます。
② 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
外科・消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 104 6.82 7.23 3.85 62.92
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 90 5.04 4.86 0 67.89
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 67 17.12 16.19 7.46 71.03
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 50 13.98 10.83 4 72.02
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 48 5.4 6.41 0 57.69
当院では消化器疾患・呼吸器疾患に対して外科治療を行っております。手術は鏡視下手術が主流となっており、良性疾患だけでなく、食道癌・胃癌・十二指腸癌・膵癌・胆管-胆嚢癌・肝癌・結腸癌・直腸癌・小腸癌・肺癌に対して第一選択となっています。近年、膵癌症例が多くなっており2020年度の手術症例は33件でした。全身麻酔の手術件数は823例でした。良性疾患の手術症例は胆石・胆嚢炎168件、鼠径・大腿ヘルニア97件、虫垂炎58件、腸閉塞47件、消化管穿孔25件でした。悪性疾患では、食道癌8件、胃癌52件、結腸癌111件、直腸癌46件、膵癌33件、胆管-胆嚢癌11件、肝癌25件、肺癌55件となっています。また当院は救急にも対応しており、24時間体制で緊急手術を実施しています。
整形外科・小児整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx97x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 106 17.17 19.22 30.19 73.52
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 101 19.42 21.03 26.73 68.35
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 84 22.14 23.36 46.43 75.74
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 65 20.62 25.09 84.62 83.89
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 42 25.14 19.90 61.9 69.12
「職場や家庭で活動するにあたり障害となっている症状を取り除き、快適な日常生活が送れるように」を治療方針とし、整形外科全般の治療を行なっていますが、特に当院では脊椎疾患、関節疾患、手外科、足外科、小児外科、骨折、創傷ケアに対する治療が中心です。症状の重症度や年齢、職業、家庭環境などを考慮しながら薬物療法・装具療法・ブロック療法・リハビリ等の保存的治療を行なった上で効果が得られず、日常生活を行なう上で支障が大きいと判断した場合は手術を行なっています。当院は循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科(人工透析)・糖尿病内分泌内科などの各科の専門医や認定看護師などコメデイカルの協力により、合併症を有する患者さんに対しても最善の治療が受けられるように努めています。2019年度から外来を「脊椎センター」「関節再建/人工関節センター」「九州腰痛・仙腸関節センター」に再編し、それぞれ専門的な診察、治療ができるように体制を整えました。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 36 6.92 3.39 0 68.97
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 32 24.06 18.61 15.62 69.97
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 30 10.13 9.42 0 69.5
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 21 19 15.61 0 71.05
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 13 16.46 20.51 30.77 82.85
呼吸器内科では、肺がんの患者様の化学療法目的の入院が最も多くを占めています。その他の疾患では、間質性肺炎の増悪による入院も多い状況です。慢性閉塞性肺疾患の増悪や肺炎、気管支喘息の入院については、ガイドラインに基づき適切な治療を行っています。
肺がんが疑われる患者様の増加に対して、新しい気管支内視鏡の導入を行ない、肺がんの診断の精度向上を行っています。
肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 229 12.92 10.70 2.18 75.59
060050xx031xxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 46 12.87 14.45 0 75.93
060300xx99x00x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 27 14.81 11.63 3.7 70.52
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 22 11.68 8.65 9.09 66
060050xx99040x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 21 13.24 10.15 0 73.43
ウイルス性肝炎・肝細胞癌・肝不全の系統的診断・治療を目指しています。また、他科との連携により、肝細胞癌に対する全ての治療選択肢を備えており、肝移植についても対応できるような連携体制を整えています。肝癌に対しての治療法として、経皮的エタノール注入療法(PEIT)、経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)、経カテーテル的肝動脈塞栓術(TAE)、肝動注用リザーバー埋め込み術 を対応しています。
肝癌におけるこのような血管塞栓術を用いた治療実績の件数は下記で述べるように、十分な経験と実績のもとに施行しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 80 19.7 17.23 5 84.9
050210xx97000x 徐脈性不整脈 13 12.46 10.56 15.38 82.54
050070xx9900xx 頻脈性不整脈 - - 7.09 - -
050130xx97000x 心不全 - - 22.43 - -
0400801499x012 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) - - 18.48 - -
近年、心不全で入院する患者さんは全国的に年々増加しています。循環器疾患診療実態調査(JROAD)によると2019年の1年間に全国で29万人が心不全のため入院しました。当科では特に80歳以上の高齢の心不全患者さんの入院が増加していますが、入院時に心エコーを含めて心機能や合併症の評価を十分に行い,心機能や重症度に応じて利尿剤、血管拡張剤、カテコールアミンなどの薬剤を適切に使用して治療にあたっています。呼吸状態の悪い患者さんに対しては非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)を積極的に使用しています。前述の通り、高齢の心不全患者さんが多いため、むくみや息切れなどの症状をできるだけ早く改善させ、早期にリハビリを開始して日常生活動作が低下しないようにケアしています。
さらに、当院ではがん患者さんや整形外科疾患の手術が多く、術前、術後、がん化学療法中の静脈血栓塞栓症の患者さんが年々増加しています。血液検査、下肢静脈エコーや造影CTを用いて適切に診断し、必要な患者さんには積極的に抗凝固療法を施行しています。
腎臓内科・人工透析内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 21 19.67 11.04 4.76 63.95
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 12 25.25 33.50 8.33 64.42
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 12 12 14.01 16.67 64.17
110280xx97x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 10 22.7 24.80 40 71.4
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 - - 20.56 - -
当院では地域の診療所および当院の各科と連携し、腎疾患の早期発見と早期治療に取り組んでいます。
当院の特徴として、腎疾患だけでなく合併症を伴っていた場合でも、
併設の呼吸器内科、消化器内科、糖尿病・内分泌内科、循環器内科、肝臓内科等とスピーディーに連携を図りながら
包括的な治療を行うことが可能です。
CKDネットワークの基幹病院として慢性腎臓病の患者様の診療を行っています。可能な限り長く腎機能を保持できるように栄養指導、生活指導を受けて頂き、かかりつけ医の先生と連携して合併症の治療を行っています。
腎不全診療においては、患者様のライフスタイルにあわせて、血液透析、腹膜透析、腎移植から最適な治療法を選択して頂いています。療法選択にあたり、医師だけでなく看護師、栄養士、臨床工学技士などそれぞれのエキスパートから意見を聞く機会を設けており、治療開始後の生活を具体的にイメージすることが可能です。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x00x パーキンソン病 26 15.04 18.20 3.85 78.85
010170xx99x00x 基底核等の変性疾患 - - 14.56 - -
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) - - 19.18 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 - - 13.00 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 - - 20.51 - -
脳神経内科は、脳血管障害・髄膜炎・脳症・てんかんなどの急性の脳疾患、認知症・パーキンソン病・脊髄小脳変性症などの慢性の脳疾患、手足のしびれや筋力低下をきたす脊髄や末梢神経・筋肉の病気など、神経系全般の疾患に対応する診療科です。
当科では、急性期脳血管障害に対する血栓溶解療法や、意識障害・てんかん発作、脳炎に対する急性期医療にも積極的に取り組み、実績を上げています。脳疾患の場合、初期に精度の高い診断をすることが、予後を左右することが多いため、当院ではCT, MRI, 脳波、髄液検査などを速やかに行える体制を作り対応しています。
脳神経内科のもう一つの役割は、パーキンソン病などの神経変性疾患への対応です。特に、パーキンソン病は、高齢化に伴い急速に増加しており、当科にも300名近くの患者さんが通院しています。パーキンソン病は、血液検査やMRI検査では診断がつかないため、脳神経内科以外の病院や診療科を受診しても、しばしば見逃されることの多い病気です。 当科では、丁寧な病歴聴取・神経学的診察を基に、多くの患者を発見しています。2020年には脳神経内科を中心に「パーキンソン病・運動障害疾患センター」を開設しました。
2017年秋からは、パーキンソン病に対してアメリカで開発されたリハビリプログラム(リー・シルバーマン法)を導入し、体の動きやしゃべり方のリハビリも始めています。
2019年からDuoDOPA療法も開始しており、従来治療困難であった進行期パーキンソン病にも目覚ましい効果を挙げています。
脊髄、末梢神経、筋肉の病気も、神経内科の領域です。当院ではMRI、電気生理検査などで、的確な診断が可能です。整形外科的手術が必要な方は、当院の脊椎・関節センターの医師と連携し対応します。緊急治療が必要な脊髄炎、ギランバレー症候群などに対しては、ステロイド療法、免疫グロブリン静注療法などの経験も豊富です。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 50 14.58 14.60 4 68.5
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 29 12.21 13.00 20.69 80.07
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 28 21.14 20.51 25 88.32
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎 25 4.08 5.86 0 62.44
030400xx99xxxx 前庭機能障害 12 4.17 4.94 0 74.75
1型および2型糖尿病の薬物療法(インスリン注射、経口血糖降下薬)、食事指導、運動指導をチーム医療として行っています。1~2週間程度の教育入院も可能です。また、高血糖緊急症と低血糖症の救急治療も積極的に行っています。「糖尿病教室」を月2回公開し、糖尿病治療や健康増進についての指導を行っています。さらに、バセドウ病、甲状腺機能低下症の治療、甲状腺腫瘍の細胞診、下垂体・副腎疾患の画像診断と治療を行っています。ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質異常についても専門的治療が可能です。
ペインクリニック内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010111xxxxx0xx 遺伝性ニューロパチー 64 26.17 12.47 1.56 71.03
010310xx99x0xx 脳の障害(その他) 29 12.28 10.27 0 34.48
07034xxx99xx0x 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 19 18 11.12 5.26 50.63
010120xx99xxxx 特発性(単)ニューロパチー - - 6.99 - -
071030xx99xx0x その他の筋骨格系・結合組織の疾患 - - 9.14 - -
ペインクリニック内科の対象疾患は帯状疱疹痛・帯状疱疹後神経痛や椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄など脊椎疾患による痛みなどが多く,ほかに三叉神経痛,手術後に遷延する痛み,低髄液圧症(脳脊髄液漏出症)など様々です。表にある【遺伝性ニューロパチー】の多くは帯状疱疹後神経痛の患者であり,【脊柱管狭窄(脊椎症を含む)】の多くは頚部や腰部の脊椎変形や椎間板ヘルニアによる神経痛の患者です。各種神経ブロック療法や薬物療法を併用しながら治療を行いますが効果にはばらつきがあるため患者毎に注意深く経過を見ながら調整して行っています。【脳の障害】は低髄液圧症・脳脊髄液漏出症の患者です。むち打ち損傷などの交通事故やスポーツ事故後から,あるいは原因なく頭痛や嘔気,めまいなどが続く患者で,MRIやCTによる検査と併行して治療を行っています。ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入療法)は代表的治療法ですが2016年度から診断基準を満たす患者では保険適用となっています。当科では毎年20-30名の患者にブラッドパッチを実施しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010240xxxxxxxx 片頭痛、頭痛症候群(その他) - - 5.79 - -
01021xxxxx1xxx 認知症 - - 19.40 - -
010230xx99x00x てんかん - - 7.48 - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害 - - 4.94 - -
脳神経外科一般、頭痛、認知症に対し、ガイドラインなどを重視した標準的医療を基本とし、個々の患者さんに最も適切な医療の提供をめざします。
頭痛外来では、片頭痛や緊張型頭痛だけでなく、鎮痛薬の飲み過ぎでおこる薬物乱用頭痛など、幅広い領域の頭痛診療に取り組んでいます。もの忘れ外来では、認知症の早期診断・早期治療を目標にかかげて診断、治療を行っています。特にMRI(エムアールアイ)やSPECT(スペクト)などの画像診断は最新のシステムを導入しており、多くの病院からご紹介をいただいています。
緩和ケア内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060040xx99x00x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 - - 9.53 - -
010010xx9900xx 脳腫瘍 - - 11.50 - -
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 - - 13.30 - -
060020xx99x0xx 胃の悪性腫瘍 - - 10.73 - -
06007xxx9900xx 膵臓、脾臓の腫瘍 - - 11.24 - -
多くのがんに対して専門の医療スタッフが患者さん一人一人に向き合いながら懸命に治療に取り組んでいます。がんと診断されたときから患者さん、そのご家族はさまざまな苦痛を感じることになります。このコロナ禍における閉塞感はさらに患者さんを不安にさせ、今までになかった苦痛を感じさせているでしょう。緩和ケア内科においても患者さんや家族との関わりを制限せざるえない環境のもと、そのあり方を考えなくてはなりませんでした。制限された環境の中で不安を抱えるがん患者さんに対して、ときには医療者として、ときには思うように会えない家族の代わりに最期まで寄り添っていきたいと思います。そしていつの日かこの制限が解除され、本来の緩和ケアを患者さんとそのご家族に提供できる日が来ることを心から祈っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 59 23 14 42 9 54 1 8
大腸癌 42 70 49 33 18 65 1 8
乳癌 1 1 2 0 1 0 1 8
肺癌 41 15 22 65 3 69 1 8
肝癌 26 17 17 9 1 314 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 7 10.14 62.71
中等症 71 13.39 81.93
重症 15 16.4 85.33
超重症 2 9 86
不明 0 0 0
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 34 24.09 79.15 14.29
その他 8 25.5 82.75 9.52
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 155 1.74 10.09 9.68 77.04
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 114 1.09 2.02 0 69.46
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 72 1.44 4.86 5.56 73.81
K654 内視鏡的消化管止血術 71 0.76 9.08 18.31 74.41
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 62 1.19 5.66 11.29 77.6
当科で行う手術のほとんどは内視鏡的な手術です。
最も多い内視鏡的胆道ステント留置術は、膵頭部癌や胆管癌あるいは胆管結石による胆管狭窄に対して行う手術です。ERBDやEMSだけでなく、EUS-BD(HGS・CDS)も行っています。また、3番目の内視鏡的乳頭切開術(EST)ですが、これまで結石除去できずにERBDで対応していたような巨大結石・積み上げ結石も、胆道鏡(SPYGRASS)+EHLで砕石・除去できるようになりました。胃全摘術後や胆管空腸吻合術後症例における胆管狭窄や胆管結石に対しては、バルーン内視鏡下に同様の治療が可能です。
2番目に多い大腸ポリープ切除の多くは、前述の通り外来で行っています。EMR、CSP、CFPのほか、大腸のESDも行っています。
4番目と5番目に内視鏡的消化管止血術、小腸結腸内視鏡的止血術が入っていますが、当科が消化器救急に努力している結果です。
欄外になりますが、胃のESD症例は、県内では有数の症例数です。潰瘍瘢痕を伴う症例など難易度の高いESDも積極的に行っています。そのほか、食道・大腸のESDも数多く行っており、リスクの高い十二指腸腫瘍や胃GIST症例の一部はLECS(腹腔鏡・内視鏡合同手術)による安全で負担の軽い治療を行っています。
外科・消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 170 1.54 4.97 4.71 62.74
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 87 1.24 2.75 0 67.24
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 71 3.99 12.8 9.86 70.76
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術・手術用支援機器使用) 32 3.13 20.5 0 65.56
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 29 0.31 4.41 0 44.97
消化器・呼吸器領域に鏡視下手術を導入することで、できるだけ小さな傷跡・最小限の出血・術後合併症の減少・入院期間の短縮・早期社会復帰を目指しております。また当院では日本内視鏡外科学会の技術認定医取得を推進しており、現在3名のエキスパートが在籍しています。更に当院ではロボット支援下手術を胃癌・直腸癌の標準術式としており、2016年度以降2021年3月までに胃癌107件、直腸癌111件の実績があります。(ロボット支援下手術は厚生省により施設基準が決められており、当院はその基準をクリアしているので保険診療で治療を受けることが可能です。)
整形外科・小児整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 195 1.49 18.47 36.41 71.96
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓形成) 151 2.54 16.42 37.75 71.79
K0461 骨折観血的手術(大腿) 44 2.07 18.75 79.55 81.45
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 32 2.13 16.09 34.38 70.69
K069-3 関節鏡下半月板縫合術 30 0.9 17.57 16.67 41.8
脊椎疾患に対する手術は県内でもトップクラスの件数、成績です。疾患や症状に応じて内視鏡下手術(MED)や脊椎インストゥルメントを用いた脊椎固定術も行なっています。2019年からは腰椎椎間板ヘルニアに対しコンドリアーゼの椎間板内注入療法も行なっており、1泊入院で済み、患者さんの負担も軽く、まずまずの成績が得られています。関節疾患については手指、肘、肩および股、膝関節に対し人工関節置換や骨切りによる関節形成術を行なっていますが、さらにMIS(最小侵襲手術)や手術支援ナビゲーションシステムを導入し、侵襲が少なく正確な手術を行なうことで早期の社会復帰を目指すことができるように努めています。2020年からは保険診療外ですが、変形性膝関節症に対し、患者さんご自身の血液を採取し、炎症を抑えるタンパク質と軟骨の健康を守る成長因子を高濃度に抽出し関節内に注入するAPS療法も開始しました。また高齢者の方に多い大腿骨骨折や上腕、手関節の骨折に対する手術も多く行なっていますが、できるだけ受傷から間を開けず、行なうことで早期のリハビリ、社会復帰を促すように心がけています。当院での治療後に転院でのリハビリが必要な場合は紹介元や連携医療機関、施設と綿密に連携し、残った症状に応じた適切な医療が受けられ、患者さんの日常生活が少しでも豊かになるように努めています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K060-31 化膿性又は結核性関節炎掻爬術(股) - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K637-2 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 228 2.19 10.25 3.07 75.72
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cm以内)(その他) 44 6.82 3.43 0 75.3
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 10 4.1 18.5 0 77
K697-32ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cmを超える)(その他) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
肝癌に対する血管塞栓術、ラジオ波焼灼療法では多くの実績を有しており、年間260件以上実施しています。他科の協力により肝細胞癌に対する多くの治療選択肢を揃えており、また肝移植にも対応できるような連携体制も整えております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K596 体外ペースメーキング術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
腎臓内科・人工透析内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 18 10.89 12 5.56 65.17
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K610-3 内シャント設置術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
当院腎臓内科では透析導入のための内シャント設置術や、細くなった血管を拡げるための経皮的シャント拡張術にも対応しています。患者さまの生活環境を最優先に考え、それぞれにあった治療方針を決定してまいります。
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K6262 リンパ節摘出術(長径3cm以上) - - - - -
K664-3 薬剤投与用胃瘻造設術 - - - - -
糖尿病・内分泌内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K735-4 下部消化管ステント留置術 - - - - -
ペインクリニック内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1901 脊髄刺激装置植込術(脊髄刺激電極を留置) - - - - -
K716-22 腹腔鏡下小腸切除術(その他) - - - - -
通常の薬物療法や神経ブロック療法による効果が不十分で日常生活にも支障を来たしている難治性疼痛の患者に対して脊髄刺激装置植込み術を行うことがあります。帯状疱疹後神経痛や脊椎疾患による神経痛の患者が主ですが,刺激装置を2-3週間一時的に留置して治療を行う場合もあれば心臓ペースメーカのように刺激装置を植込んで行うこともあります。新型コロナ感染流行による施行上の制約があり令和2年度は1名のみの実施となりました。

緩和ケア内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K735-4 下部消化管ステント留置術 - - - - -
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.03
異なる 16 0.27
180010 敗血症 同一 12 0.2
異なる 15 0.25
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 3 0.05
180040 手術・処置等の合併症 同一 44 0.75
異なる 13 0.22
更新履歴
2021/09/30
南風病院病院情報を公開しました。