CANCER当院におけるがん診療の取組みについて

胃がんについて

胃がんは、日本では最も多いがんとなっています。日本における胃がんの治療成績は世界の最高レベルにまで向上しています。また、様々な治療法が開発され、治療成績のさらなる向上、生活の質(QOL)の向上を目指しています。
治療法については、より高いQOLの向上をもたらすために、選択肢が増えており、悩むことも多くなっていると思います。その中で、患者さん自身がベストな選択をしていただき、安心していただくためには、適切な情報提供が重要と考えています。
当院では、より患者の負担が軽い治療である、消化器内科による内視鏡的手術や外科・消化器外科による腹腔鏡手術を熟練した専門医が手術を実施しています。また、化学療法においてはがん薬物療法専門医の指導の基、実施しています。

胃がんとは

がん(悪性新生物)の全国統計では、胃がんの罹患率(新たにがんと診断された患者)は男女合計で1位(男性:1位、女性3位)であり最も多いがんです(2012年度統計)。特徴として、60歳代から増加し、高齢になるほど罹患率は高くなっています。2013年度の罹患率は48,614(10万人あたり)、死亡率は38.7(10万人あたり)となっています。(2013年、人口動態統計月報年報の状況より)
胃がんの5年相対生存率(2003-2005)は、男性で64.2%、女性で61.5%です。(国立がん研究センターがん対策情報センターより)

5年相対生存率とは・・・胃がんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるか示す指標。100%に近いほど5年後に生存している割合が高いことになります。

胃がんの治療法について

胃がんの治療は、胃がんの状況や深達度およびリンパ節転移の程度により決定されます。手術のようながんそのものを除去する根治手術と姑息的手術(症状緩和が目的)や内視鏡ステントなどさまざまで以下のような治療法があります。

①内視鏡的手術
粘膜や軽度の粘膜下層にとどまる早期がんの場合、内科で内視鏡によるがんの切除を行う方法です。内視鏡でがんが見にくい場所にある、技術的に難しいなどの場合は外科的手術になることがあります。局所再発の否定のために、内視鏡による経過観察が必要です。
②外科的手術
内視鏡で切除できないがんに対して、外科的手術が行われます。胃がんの治療はほとんどの場合、腹腔鏡手術または開腹手術による外科的治療が基本となります。
③抗がん剤治療
抗がん剤の治療のみでは、がんが完全に治る(根治する)ことは極めて困難です。抗がん剤治療は、手術後の再発予防を目的とした補助化学療法や抗がん剤で先に治療し、腫瘍を縮小させ、手術できる範囲になった時点で手術をおこなう治療もおこなわれています。
④放射線治療
抗がん剤治療と同様に、放射線療法のみではがんが完全に治ることは極めて困難です。転移やがんの浸潤による痛みなどに有効なこともあります。
⑤緩和ケア
がん医療における緩和ケアとは、がんに伴う体と心の痛みを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方です。
⑥その他の治療
免疫治療や緩和治療などがあります。免疫治療は、がんが完全に治るための治療方法ではありません。症状緩和や延命を目的とした治療になります。
緩和治療は、すべてのがんに関係するもので、日常診療として行われます。手術を希望されなかった場合や再発し有効な治療法が無くなった場合などに残された期間、どのようにしたら少しでも幸せでいられるかを考えなければなりません。痛みのコントロール、栄養の確保、精神的な援助などを目的とした治療になります。
公益社団法人鹿児島共済会 南風病院