CANCER当院におけるがん診療の取組みについて

線虫を用いたがんスクリーニング評価

尿1滴から安価で簡便な方法にてがんを識別する検査法の確立を目指した研究です

南風病院では線虫C.elegansという小さな生物を用いた「がんのスクリーニング評価」を目的とした臨床研究を開始しています。がんを早期発見するために有用であるかを評価します。九州大の研究グループは、体長1mmの線虫C.elegansはがん患者と健康な人の尿の臭いのわずかな変化をかぎ分け、がん患者の尿に集まり、高い精度でがんの有無を判定することに成功したと発表しています。今回は、その九州大の研究グループと南風病院との共同研究で、より研究対象者を増やし、効果を検証します。南風病院でPET/CT検診を受けていただいた方、また南風病院で診療を行った患者で胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆嚢がん、胆管がん、食道がんと診断された方を研究対象としています。これまでに参加いただいた方は100名を超え(2016.10.05現在)、多くの方にご協力いただいています。

研究の意義

がんは1981年から日本人の死因第1位であり、日本人の2人に1人はがんを経験し、3人に1人はがんが原因で死亡しています。がんは早期発見の重要性が報告されていますが、がん検診受診率は低い水準です。背景には検査に対する苦痛、検査にかかる時間、検査費用が高いなどが挙げられます。より安価にて感度よく、非侵襲にてがんを診断することが求められており、全世界でがんバイオマーカーの開発が行われています。2015年に九州大の研究グループの研究により線虫C.elegansが尿によってがんの有無を識別することができる可能性が示されています。尿1滴からがんを判定できれば、痛みを伴わない安価な検査方法が確立できます。本研究では線虫C.elegansを用いてがんの匂いを特定し、がんのスクリーニングを行います。がんのスクリーニング精度の向上を図ります。

がん患者と健常者の傾向
公益社団法人鹿児島共済会 南風病院