講演会「医療の最前線」を行いました。

 2023年6月16日、南風病院 多喜ホールにおいて、「医療の最前線」と題して医師対象の講演会を行いました。この講演会は、最新の医療の情報を地域の医療機関の先生方へ発信することを目的としています。講師には、京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学講座 教授 小川誠司 先生と、慶応義塾大学医学部内科学(消化器) 教授・医学部長 金井隆典 先生にお越しいただきました。

 講演1 「がんはなぜできる?」では、大腸がんにおいて取り組むべき課題として、遺伝子変異検査を大腸がんの治療に生かすためのアプローチの研究についてお話をしていただきました。大腸がんの患者のうち術後補助化学療法を推奨すべき人、副作用や予後予測から回避すべき人を、遺伝子検査に基づく新しい分類を大腸がんの分子分類と比較検証する研究で、これからの臨床の現場において遺伝子検査がますます重要となることについて理解を深めることができました。この研究には、当院も検体提供を行い協力しております。

 講演2 「腸内細菌という相棒のはなし」では、現代における腸脳相関、すでに研究成果を発表されている“腸・肝臓・脳・腸”連関による腸管免疫寛容の仕組みについて、また、「腸内細菌は食事の嗜好性について影響する」という内容を、研究中の実験の成果を交え金井先生よりお話いただきました。食事内容が腸内細菌に影響し、その腸内細菌が脳へ影響する作用について、具体例を交えた明快な説明をしていただきました。人工甘味料と健康との関係についても触れられ、腸内環境を整えることが全身の健康維持に影響することに、新たな視点を得ることができました。

 今回は、鹿児島県内の医療機関から多くの先生の皆様がご来院され、当院医師を合わせて約50名が参加となりました。講演後には活発な質疑応答、意見交換が行われた後、終了いたしました。ご参加いただいた先生の皆様ありがとうございました。

 南風病院では、今後も医師を対象とした講演会を企画していきます。病院ホームページ、連携室ニュースメール、郵送等でご案内いたしますので、地域の先生の皆様のご参加をお待ちしております。

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